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-CONTENTS-
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| [ブラームスの交響曲は・・] | |
| I:(インタビュアー)今日は練習終了後のお疲れの所インタビューお引き受け下さりありがとうございます。 まず最初に今回のプログラムのブラームス交響曲第2番についてお伺いしたいと思います。 この交響曲は田園的・・牧歌的な作風ですが、この曲に対する、マエストロの考え方や感じておられることをお話ください。 また他のブラームスの交響曲との違いについてお話伺えますか?
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| H:(ハイダー氏)そうですね、ブラームスの交響曲というのはベートーヴェンの交響曲と同様に 一曲一曲が非常に個性的です。 この2番は北ドイツ生まれのブラームスが暖かな南オーストリアのビュルター湖畔の小さな村 「ポルチァ」に静養に来た時に作曲したものです。 彼がこの場所の豊かな自然やのどかさが非常に気に入った事を手紙などに書き残しています。 その事がこの交響曲の田園的な、おおらかでのどかな雰囲気に大きく影響しているんです。 北ドイツの厳しく寒く冷たい気候や人々の気質と、南オーストリーの田舎の人々ののんびりした暖かい人間性が、 季節に喩えて言うならば「秋」のように見事に混ぜ合わされているのです。 先だって偶然なのですが私はこの村を訪れてきました。その雰囲気は多分昔のまま! 教会・学校・小さな信用金庫・・・大きな建物といったらそれだけなんです。 人口もせいぜい2〜3千人いる位かな? こののどかな雰囲気が何より大切だしそれはオーストリア人の私にとっては特別なものです。 このシンフォニーはまさしくドイツのものだけれども「オーストリアの香り」がしますからね。 |
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| H:二つ目に言いたいこと。 私はあのニコラス・アーノンクールの指揮クラスで勉強していてよく彼と話したこと、 それはブラームスの交響曲は「室内楽」そう「交響的な室内楽」だということです。 まさしくそういう意味において今日のあなた方の演奏はステキでした。 ブラームスにはブルックナーやワーグナーとは違う「古典的なロマンティシズム」と共に 室内楽に手慣れた音楽家達による緻密なアンサンブルが必要なのです。 それがあなた達の演奏には十分にありました。 またそれと共に場合によってはスケールの大きな力強さや強力なアタックが必要とされる いわゆる「交響楽的」な音作りもきっちりできていた。 ヨーロッパではそういうスケール感を得るために巨大な編成のオーケストラを使用するのだけれども、 今回はそういう必要性は全く感じませんでした。 |
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| I:ブラームスの時代の標準的なオーケストラのサイズはどの位だったのでしょう? | |
| H:比較的小さいです。 そうあの第四交響曲をブラームスの指揮で初演されたとき1stヴァイオリンは8人だったと思います。 |
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| I:えっ たったの8人ですか? | |
| H:どの交響曲だったかは定かでないのですが初演時に8人の1stヴァイオリンで演奏されたと言うことですよ。 4番のシンフォニーがマイニンゲンで初演されたときに、一体誰が大太鼓を叩き 誰がトライアングルを受け持っていたか知っていますか? |
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| I:音楽家ではなかったとか? | |
| H:音楽家だったけれどもオーケストラのメンバーではなかった。 一人はハンス・フォン・ビューロー、マイニンゲンのオーケストラのカペルマイスター、大指揮者です。 ブラームス自身に指揮をさせて彼が大太鼓を叩いてた。 そしてあのリヒャルト・シュトラウスがトライアングルを叩いてたのです。 |
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| I:本当ですか!凄い人たちだったんですね。 | |
| H:まだまだ面白い話をシュトラウスは手紙に書き残しています。 指揮者のビューローは長い休みの途中で小節数を数え間違ってどこだかわからなくなってしまい 動転して演奏中にシュトラウスの所にやって来て 「今何処だい?,何小節目?」 と聞いたんですって(笑) |
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| I:それって演奏会のステージでのことなんですか? | |
| H:そうです、傑作でしょ。 | |
| I:シュトラウスには忘れがたい良い経験でしたでしょうね、その時シュトラウスは幾つだったんでしょ? | |
| H:当時二十歳過ぎでハンス・フォン・ビューローのアシスタントをしていました。 この交響曲についてのマエストロ・ビューローとブラームスの打ち合わせにも立ち会っていたのです。 [back to Top] |
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| [少年時代] | |
| I:ところでハイダーさんご自身の生い立ちについてお伺いしたいのですが、どういった環境で音楽を始められたのでしょう。 いつ頃、どういうきっかけで指揮者を目指すようになられたのでしょう? |
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| H:そう、最初は少年合唱団で歌い始めました。少年時代の僕の声は綺麗だった。 | |
| I:今でもハイダーさんは素晴らしい声ですよ。今日の練習でもメロディーをすばらしいテナーで歌っておられました。 合唱団ってあの「ウィーン少年合唱団」ですか? |
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| H:そうです、でも声が良いなんてとんでもない(笑)今はひどい声ですよ。 少年時代は本当に素晴らしい多くの体験をしました。 例えば演奏旅行で世界中をまわりましたね。 オーストラリア、ニュージーランド、中国、アメリカなど・・・日本へは残念ながら来ませんでした。 それから演奏会でウィーンフィルと共に素晴らしいステージも経験しました。 例えばL.バーンシュタインの指揮でマーラーの3番を。 そしてバッハのカンタータを後に私の師匠となるアーノンクールとレコーディングしています。 国立歌劇場のカルメンやトスカなどの演目に、児童合唱で出演する機会もありました。 今でも印象的なのは、私が11歳の時のことです。 ステージに立ちオーケストラ・ピットから聞こえてくる、ウィーン・フィルの奏でる響きのあまりの美しさに言葉を失ったのをよく覚えています。 その時、私は将来指揮者になろうと決心したのです。 |
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| I:ハイダーさんは、ほかに何か楽器も勉強されましたか? | |
| H:はい、ヴァイオリンを17歳まで勉強していました。 17歳の時にリンツのアントン・ブルックナー・コンセールヴァトワールの指揮科に入学。 そこで副指揮者として必要なピアノの勉強も始めました。 もちろん指揮者としての勉強と同時に、楽器を演奏する事も大切なことですから、 今でも室内楽や歌の伴奏でピアノは弾いていますよ。 |
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| I:奥様のグルヴェローヴァさんのピアノ伴奏もなさっておられるのですね? | |
| H:もちろん。彼女だけではなくて来月センチュリーと協演するカサローヴァさんなどもね。 他にも例えばロベルト・スカルティオッツィやヴィクトリア・デ・ロスアンヘレスの最後のリサイタルの伴奏などもしました。 彼女は偉大なソプラノでその時彼女は70歳!! ハンブルグとバルセロナで彼女と共にシューベルトを演奏できたのは本当に名誉なことでした。 [back to Top] |
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| [ワグナー] | |
| I:センチュリーでも「タンホイザー」や「マイスタージンガー」の序曲などワグナーの作品は演奏しますが、 もともと大編成のオーケストラを想定して作曲されているので、我々にとって言わば「縁遠い」作曲家です。 今回私たちのオーケストラの編成での演奏効果は? それと楽劇「ニーベルングの指輪」のなかの「ジークフリート」と 今回の「ジークフリート牧歌」とは、たしか関連が余りありませんでしたね・・・ |
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| H:ええ彼の三幕からなる楽劇「ニーベルングの指輪」はもちろん非常に大きな編成を考えていますが この「ジークフリート牧歌」は彼の息子ジークフリートの誕生のお祝いに書いた曲です。 フランツ・リストの娘コジマ・フォン・ビューローとの間のね。 たしかスイスのトゥリープヒェンで息子の誕生のお祝いにコジマを驚かせようと 非常に小さなアンサンブルのためにこの曲を作曲したのです。 だからこの曲は12人とか13人の人数のアンサンブルでも演奏できるのです。 もちろんメンバーをダブらせてセンチュリー交響楽団のサイズでも可能です。 今日の練習でのセンチュリー素晴らしかったですよ! いや本当にパーフェクトでしたよ・・・良い曲でしょ? |
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| I:ええ、もちろん。 ところで一度ドイツやオーストリアの方に質問したいと思っていたことがあります。 失礼なことをお聞きしますが、ハイダーさんはワグナーの楽劇「ニーベルングの指輪」のドイツ語の歌詞を全部聞き取れるのでしょうか? |
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| H:(笑)ハハハッ確かに!全部は理解できません。 それは第一に古いドイツ語を使っていること。 第二に彼は「ワグナードイツ語」と言われる特殊な言葉を使っているからなのです。 テキストを読んで見てください。 |
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| I:一度「指輪」全曲を聴いたことがあるのですが恥ずかしながら ほとんど半分ほど寝てしまっていました。 |
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| H:(笑)ははは、、、正直言うとワーグナのほとんどのオペラは長すぎますよ(笑) 貴方は正しい! |
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| I:ええ、舞台も本当に薄暗いですしね・・・ | |
| H:暗いからよく寝られる・・・(笑) | |
| I:この曲について何か他に・・・? | |
| H:曲の最後の消え入るように静かに終わる所ですけれど・・ あそこはオーケストラにとって能力を試される「試験曲」のような場所なのです。 一体どれだけ小さな音で演奏できるかというね。 特に、ことさら小さな音で終わろうとするとそれはそれは難しい場所ですが。 まあ指揮者にもよるでしょうが、私はあそこで「宇宙的」な雰囲気を表したいと思っています・・・ 聴衆に息ができないほどの緊張感を与えたいですね。 今回はきっと素晴らしい演奏ができそうですよ、楽しみです。 |
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| I:今日はハードな練習の直後のお疲れの所どうもありがとうございました。 [back to Top] |