[7月7日いずみ定期]
センチュリー練習場指揮者室にて常任指揮、高関氏にインタビューを
敢行。(文中「T」)これからの定期のプログラムについて高関さんに
そのプログラムについての抱負や解説、それぞれの曲に対する思い
入れなどをお伺いしました。

インタビュアー:佐野穣一Violoncello・奥田一夫Kontrabass 
以下、佐野(S)、奥田(O)

 

O: さて、それでは7月いずみ定期のベートーヴェンシリーズについてお話を
うかがいたいと思います。
   
T: ベートーヴェンシリーズも今度で三回目ですよね?

今度は、ベートーヴェンの交響曲の中でも、より女性的といわれている
2曲になりましたから、旋律線の綺麗なところなど、そういう美しさを失
わないように心がけて演奏したいと思います。

   
  強弱・テンポを原典に忠実に
   
O: 具体的にはどういう風になるんでしょうか?
   
T: 書いてある通りにするだけなんですが、ふつう割とずーっと頑張って
弾きますよね。ダイナミクスを大きく書いてあるみたいに思って。

ところが、本当に大きい瞬間って何回かはあるんですけれど、それ
以外の所はそんなに大きくなくってもよいような気がするんです。
そういうところはちゃんと落として、本当のフォルテの場所とをきち
んと分けてみたいと思っています。

   
O: そうですね。の中のチェロ・バスだけでフォルテになるのは最後
の瞬間だけなんですよね。
   
T: ええ。
それとあの嵐の四楽章のテンポって、意外と速くないんですよね。
   
O: えっ!そうなんですか?
   
  ゆっくりだから弾かなきゃだめ!
   
T: ええ。ベーレンライターからベートーヴェン新全集が出たときは、
もちろん以前からのテンポ表示はあったんですけれど、今までの
テンポ表示に従って演奏すると、割と速めの演奏になりますよね。

ところがあそこだけは全然速くないんです。2分音符=80だった
かな? そうするとこれくらいですから。
(・・・・と、ウパパパパパパパ、ンパパパパパパパと歌って)

   
O: え!?じゃあ、あそこのチェロ・バスがほとんど演奏不可能に近い
ところ、全部弾けちゃうわけですか・・・?!
   
T: ははははは。(笑)
だから、チェロとバスは全部弾けるんじゃないかと。ファソラシド・
ファソラシドとね??
   
O&S はぁ。(ため息)それは困った。(笑)
   
T: あそこは効果音だから、全然弾けなくてもかまわないと思って、
ベートーヴェンが書いたっていう考え方もよくありますけど、実は
本気で「全部弾いて欲しい」という気持ちはあったんだと・・・・。

それから4番の終楽章なんかも意外に速くない。
おっ!そんなものかという位です。

   
S: ファゴットの宮本さん、助かりますね。(笑)
   
T: こういうところに注意を払って、楽譜に忠実に演奏するわけです。

そうすることが、結果的にはベートーヴェンの意図に沿った形に
なるのではないかと思います。

   
O: 今回のはいつ頃CD化されるんでしょうか?
   
T: 前のは時間かかりましたけど、今回の2番5番のは、この間もう
テープ聴きました。マスターが半分くらい出来ていました。

(声を潜めて)ここだけの話、5番はなかなか良いですよ。(笑)

   
O: 僕も、お客様から「すごく良かった」という評は頂いていましたけ
れど・・・
   
T: 2番も良くてフィナーレなんか、素晴らしいですよ。
   
S: それは楽しみですね。
文化振興財団作成のセンチュリーのホームページでは、一枚目の
CD1番
3番を聴けるようになっていますよね。
   
T: ええ、なってますよね。あの1番は「レコード芸術」の推薦盤になり
ましたしね。
   
S: ところで、4番などの当時のオリジナルな編成というのは、どんな
ものだったのでしょうか?
   
T: それがですね、色んな編成でやったみたいで、今よりも、もっと
柔軟だったみたいです。

特に、4番のベーレンライター版の管楽器のパートを見ると判る
んですけれども、ダブって良いと書いてあるんです。
ということは、とても大きな編成でも演奏されたことになります。

4番の初演は、非公開ですが本当に小さな編成でやってると思い
ます。各パート4人ずつくらいの。
その後、公開演奏会をしたときのパート譜が残っているんですけ
れど、第一ヴァイオリンが9プルトもあるんです。
だから、きっと管楽器はダブったんですね。

第九でもコントラバス1本で演奏されたこともあったようです。

 

     
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