[音楽の友2001.12月号]
イ・フィアミンギの芸術監督を振り出しに、各地のオ−ケストラに客演しているベルギーのルドルフ・ヴェルテンが指揮した。
まず首席コンサートマスター、ナンドール・セデルケニの独奏で、ヴィヴァルディ「四季」が演奏されたが、ヴェルテンはトゥッティの部分では速めのテンポを採り、テンポを多様に変化させる独奏と明確な対比をつくった。
セデルケニは、古楽風とはいえないが、総じて安定した技巧による開放的な音楽を朗々と歌った。
後半はハイドン<月の世界>序曲ではじまつたが、,ここでのヴェルテンはヴィヴァルディとはまつたく異なった端正な造形で、パロックとの違いを明瞭に表現した。各部が一定したテンポと判然としたデュナーミクで構築され、生き生きとしたリズムの推進力が、現代的な尖鋭さも感じさせた。
最後のハイドン「オックスフォードー交響曲」はさらにすばらしい。何よりもオーケストラが完全に鳴り切った響きをもち、管弦は絶妙なパランスとテンポで、ハイドンの歌と精緻な書法をクリアに表出した。
リズムの躍動感と浮揚性が実に快く、強弱と形式感の明確な清朗な表現は、わが国におけるハイドン演奏のひとつの頂点を築いた。
10月12日・いずみホール・小石忠男
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kaz.