
練習初日の4月4日練習終了後お時間頂き指揮者室にてインタビューさせていただきました。
自発的なアンサンブルが・・・
日本人と西洋人って練習の仕方に違いはあるの?
ダンディーな着こなし・お色直し?
演奏するのに何が大事?
戻るときはウィーンドーズを閉じてください。
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インタビュアー(以後I.):今日は時間一杯かかった練習の後お疲れのところお時間頂き有り難うございました。北原さんはセンチュリーに来ていただくのは今回で4回目でしたね?
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| 北原さん(以後K.):ええ、もう4回になりますね。最初は大阪国際フェスティバルでご一緒させていただきましたね。それからもう定期演奏会に2回呼んでいただき今回が都合4回目になります。 |
I:もう何回も来ていただいてセンチュリーをよくご存知なわけですねえ。今回のプログラムにはメインがフランクの交響曲。
2管編成のための曲ですが一般的には大きな編成のオーケストラでよく演奏されますがセンチュリーは比較して人数が少ないですが北原さんは特にそういう事は意識して音楽づくりをなさいますでしょうか?それとも? |
| K:いや、最初にベートーベンやブラームスといったものは皆さん良く演奏なさっておられるわけですよね。そこであまりやらないような曲をやってみようと思ったわけです。以前私が音楽監督を務めていたドイツのアーヘン歌劇場はフランクの生まれた町リエージュの近く、車で30分くらいのところなんです。 |
| I:リエージュはベルギーの町ですからフランクは本当はフランス人じゃなくてベルギー人なんですよね。アーヘンはもう本当にベルギーとの国境に近い町ですしね。 |
K:ええ。リエージュとアーヘン、それとオランダのマーストリヒトは国境はさんで本当に近くに位置していて路線バスが国境を越えて三つの町を走っているくらいですからね。ですからこの辺りは国際的というかなんというのか、ドイツの劇場の歌手が国境を越えてベルギーから通っているとか、オランダに住んでいたりとか・・・。
ですからフランクもすごく近しく感じていてアーヘンで私も演奏いたしました。
ただフランクというのは一般的にはフランス音楽としてとらえられるんだけどそれにしてはどちらかというと少し渋いですよね。そういうわけで特に良く演奏会に取り上げられる曲目ではないですよね。
でもセンチュリーの方からこの曲はどうでしょうという申し入れがあったので私大変期待しているんです。 |
自発的なアンサンブルが・・・
K:そうですね、人数が少ないとかそういうことよりも一人一人のメンバーがどういう音楽作りをして下さるかということがとても大事だと思っています。
もちろん私も皆さんもやはり人間ですから合う合わないだとかいろんな事があると思うのですけれど、
僕はホント正直なことを言わせていただくと最初の出会いからとっても良い関係で私の好きなようにやらせていただいているので・・・幸せですね。
とにかく先程練習の時も申しましたけれども一人一人の皆さんが自分の耳・音楽性を信じてそれらを一番良い方向に出してまとめ上げていくという心の持ち方一つで良い演奏が出来ると思っています。
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| I:はい、練習もまだあと二日ありますし私達もご期待に応えて頑張りたいと思います。 |
K:ええ先程も言いましたけれど日本人の皆さんって技術も音楽性もあって素晴らしいですよね。でも僕は結構ハンガリーだとかルーマニアだとかに昔から良く行くわけです。実はつい2週間前までブカレストのジョルジュ・エネスコフィルハーモニーに行っていたばかりでして・・・。
昔からハンガリーの巡業公演をよく指揮したりしていましたし向こうの人達の練習第一日目って、これは一体どうなるんだろうと言うくらいすさまじいんですよ(笑)それでもう一日目の練習はもう口で言っても無駄というか・・・まあいい加減なこともあちこちでやっているわけです。
でもその遊び心というか乗りというのがそれはもうすごいですね。 |
日本人と西洋人って練習の仕方に違いはあるの?
| I:日本人と西洋人って音楽の作り方へのアプローチがやはり違うんでしょうか? |
K:う〜ん、お陰様で僕はヨーロッパを初めとして今までに海外で60位のオーケストラを指揮させていただいたんですけれども人間一人一人個性があるようにそれぞれのオーケストラに個性があって 本当にまたこれが違うんですよね。ですから一般論でまとめてしまうと言うことはできないですね。
ただ向こうの人は先ず楽譜をきちんと読むという事からは入っていきませんね。その時によっても違いますけれどもまず始めに「命」や「流れ」とでもいうべき音楽があってそこから作っていきますね。
僕もそのような音楽づくりをしていきたいですね。
向こうのオペラハウスなんかだと同じ演目に3組も4組ものキャストがいてそれぞれの全く違う歌い方に付けなければならない様な状況があるわけです。いくら細かい練習をしたところで意味がなくてその場で如何にお互い聞き合って一緒に音楽作っていけるかどうかということが大切になってくるわけです。
楽譜に書き表せることはほんの一部だと思うんです。 僕は音楽にとって一番大事なものは先程の「命」や「流れ」「動き」を目一杯出してそれをお互いのやり取りの中で形作っていくことだと思います。
そういう意味で先程の練習で皆さんが私のそういう姿勢を理解してくださって大変良いアプローチが出来たんじゃないかなと満足しています。
僕自身はまだ44歳になったばかりでまだまだ上手くできてはいませんが演奏会が楽しみになってきているところです。 |
| I:今回のプログラムは北原さんが選ばれたのですか? |
K:ピアノコンチェルト以外で幾つか候補を出されてその中でフランクとコダーイに決めました。
コダーイの曲はハンガリーの昔から伝わる民族音楽と言えますし一部はジプシーの曲ですよね。それにハンガリーの曲というとやはり遠いところで同じアジア系のものだということもありますね。 |
I:センチュリーのコンサートマスター、ナンドールはハンガリー人ですしね・・・
彼がどう演奏するかにも興味が湧いてきますね。 |
ダンディーな着こなし・お色直し?
I:ところで話は変わりますが今日の練習中に服を着替えられましたね。
女性団員の中でいったい何着持ってきておられるのかしら?? などと気にしている人もいましたが(笑)
あっ!あそこにも一着シャツが掛かっていますね。 |
K:そうですね、涼しそうな顔して振ってるように思われていますけれども指揮をすると結構汗をかきますし、やはり汗をかけば着替えますよね。いえね、あんまり何着も持っていって着替えるとキザだとか言われたこともあるんで・・・
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K:毎回ではないですけれど染みちゃうことがあるんです。
そうしたらやっぱり一回ごとにさっぱりしたいですよね。着替える場所がないときには困ってしまいますけれど今日はこうして立派な控え室をいただいていますしね。
中学校・高校時代男子校だったんです。だから登下校時にはやはりお洒落したいじゃないですか。
それに桐朋で斉藤秀雄先生が「指揮者たるもの人前に立つわけだから汚らしい格好をしてはいけない」と仰有っておられたそうですし。
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| I:やっぱりそういうお洒落にも気を遣っておられるんですね・・・・ |
K:音楽をするっていうことは学問ではなくて、浪漫だとかやはり美味しいものを食べるとか、真・善・美だとか
そういうものを大切にするっていうのと同じで、そういうことも良いんじゃないですか? |
| I:最後になりますがセンチュリーのメンバーに特に期待したいことって何かありますでしょうか? |
演奏するのに何が大事?
K:そうですね、私はもう17年ヨーロッパに住んでいてあちらの歌劇場でフルトベングラー・トスカニーニ・クナッパーツブッシュなどという大指揮者達に学んだ指揮者達と一緒に仕事をしたり教えを乞うことが多かったんです。
そういう人々の音楽に対する情熱って言うのが凄まじいんですよ。心臓発作を度々起こしてもう一回起きたら死ぬっていう状況になって初めて現役を引退した指揮者だとか、もう音楽があれば後は何もいらない・・・音楽なしでは生きていけない・・という「パッション」を持って音楽していたんです。
そういう情熱というものを大切にした演奏を心がけたいですね。
それともう一つクラシック音楽には素晴らしい「構成」というものがありますよね。
歌謡曲は歌謡曲で素晴らしいけれどもパッションに片寄る傾向があります。一面では大事なパッションだけれども
この宇宙を支配している「リズム」だとかうねりのような「流れ」「動き」といった物を意識して
文章で言えば起承転結のような「構成」を表せると良いんですけれど・・・。
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細かい字でびっしり書き込まれた今回の演奏曲目の楽曲分析メモを見せてもらいながら
I:そういう事ってありますよね。僕はフランクの音楽を聴いていると特に強く感じるのですが
なんというか大きな建築物を眺めているような・・・教会の大聖堂の中を歩いているような・・・・
曲が進むにつれて大きな「構成」が見えてくるような感覚にとらわれることがありますね。
そういったものなんでしょうかね? |
K:僕は指揮する曲はしっかりアナリーゼするのですが(インタビュアー注:事細かにアナリーゼされたノートを見せていただきました)フレーズや構成を自分の指揮から感じられるように、またそれをプレーヤーの方々と共に作り上げて
お客様方に伝えられればなあ・・・と思っています。
こういう時代だからこそ 人の心を豊かにする事って大切なことだと思います。 |
I:今日は長い間興味深い内容のお話しどうも有り難うございました。
明日からの練習引き続きよろしくお願いいたします |
K:こちらこそどうも長い間ありがとうございました。
私は両親が大阪出身で母がお琴、父が尺八の奏者だったのですが、後に東京に引っ越したのです。
そういうわけで大阪にはゆかりが深いので7日のコンサートが楽しみです。
どうかよろしくお願いします。 |
戻るときはウィーンドーを閉じてください。
kaz.
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