[日本経済新聞2001.11.17.夕刊]
大阪センチュリー交響楽団の十一月定期演奏会(6日、ザ・シンフオニーホール)は劇的な曲のオンパレードだった。
四曲のうち二番目の何占豪「莫愁女幻想曲(モウツォウ・ファンタジ−では、中国楽器の二胡(にこ)とオーケストラが共演。高度な合奏で聴衆を魅了した。デリック・イノウエの指揮で、前半にレスピーギ「ボッティチェッリの三枚の絵」と「莫愁女−」、後半にラベル「亡き王女のためのパバーヌ」とストラビンスキー「プルチネッラ」組曲を演奏した。
オケの定期では、前半に序曲と協奏曲、後半に〃主菜〃として交響曲を置くのが一般的だが、今回は交響曲はなし。悲劇あり喜劇ありの工夫を凝らしたブログラムだった。
クライマックスは、姜建華(ジャン・ジェンホワ)が二胡を独奏した「莫愁女−」。中国楽器の演奏ではしばしば、拡声装置(PA)が使われるが、姜の二胡は生のままだ。それでも、オケの中で埋没するどころか求心力を持ち、悲恋物語を題材にした曲の微妙なニュアンスをホール全体に伝えていた。
四曲とも、オケの演奏者は四十五−五十数人。管楽器の奏者一人ずつでも豊かな色彩を描いた「ボッティチエッリー」をはじめ、やや小ぷりの編成で持ち味の繊細な表現力を発揮し、玄人好みの楽団を印象づけた。
戻るときはウィンドウを閉じてください
kaz.